地域精神保健の態勢強化を望む

7月26日に「津久井やまゆり園」において障害のある方19人が殺される事件が起きました。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご家族には謹んでお悔やみ申し上げます。
また、けがをされた方が一日でも早く回復されることを願うとともに、困難の多い中で、けんめいにケアにあたっている職員の皆さまに深く敬意を表します。
さて、容疑者として逮捕されたのは、この施設の元職員でした。 事件の約5か月前に精神科医療機関に措置入院していたことから、また衆議院議長の公邸を訪れる等、事件をほのめかす言動や行動が事前に見られたことから、防止の手立てを講じることができなかったのかという疑問が、メディアから伝えられています。
特に、措置入院後の事件発生までの間にできることはなかったのかという疑問が大きく取り上げられ、措置入院制度のあり方の見直しが進められる見込みです。
さて、精神保健福祉法による措置入院制度は、警察官、検察官、矯正施設の長の通報等に基づき、精神障害のために自傷他害の恐れがあると診断された者を、都道府県知事(指定都市の市長)の行政処分により精神科医療機関に入院させる制度です。
この十年以上、多くの都道府県(指定都市)において、警察官および矯正施設の長による通報件数は著しく増加してきました。また、通報の対象も多様になってきました。多くの都道府県(指定都市)は、この増加に懸命に対応してきましたが、地域精神保健の態勢強化なしには対応が困難ととらえている都道府県(指定都市)も少なくないと考えます。
今回の事件をしっかり検証するとともに、国民の300万人以上が精神疾患で治療を受けている現状を踏まえて、通報対応を含めた地域精神保健の態勢強化の議論が進むことを期待します。
平成28年8月1日

全国精神保健福祉連絡協議会
会長 竹島 正


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